特定調停とは債務整理との違い

特定調停はどんな債務整理なのでしょう。

 

簡単に言うと、裁判所を間に挟んだ任意整理です。
相手が弁護士・司法書士か裁判所かという違いだけで、あまり制度自体も知られていません。
手続きは他の債務整理に比べれば比較的簡単なので、自身で全て手続きを終えることも人によっては可能です。

 

特定調停のメリット

 

任意整理のメリットとそれ程差はありません。
申し立て中は支払いの催促も止まり、利息も加算されなくなります。
手続きは1ヶ月程度で終わるので、それ程時間も掛かりません。

 

 

特定調停のデメリット

 

言い方は悪いですが、下手に裁判所を通すため判断が公正になります。
弁護士や司法書士は言ってしまえば債務者の味方で手続きを進めてくれますが、特定調停ではそうはいきません。
また確定後に支払いが延滞したりすると、給料差し押さえ等の対処を融資側が行うことができます。
加えて信用情報に載るのは任意整理と同じなので、5年間のローン利用はできません。
さらに任意整理と同じく、融資側が特定調停を断ることもできます。

 

個人的な意見ではありますが、特定調停だけにあるメリット等存在しないので、これなら任意整理・個人再生を考えた方が得だと思います。
わざわざ裁判所に公正に判断して貰わずとも、借金している側に味方して手続きをしてくれる弁護士・司法書士に頼んだほうがいい結果になるかもしれませんし…。

 

あえていうなら費用面の節約ですが、それに拘って公正な判決をした結果減額分が微妙では意味がありません。
言ってしまえば自業自得な借金であればあるほど、特定調停を選ぶ意味が薄くなってしまうのです。

 

特定調停の手続きや費用について

 

基本的に専門家に相談しないので、自分で裁判所の各種手続きを行う必要があります。

 

申請書類の作成

 

借金をしている先、そして自身の財産の現状等を記載する書類を記入します。

 

特定調停申し立て

 

基本的には、債権者の所在地の管轄である裁判所へ申し立てをします。
申請後はさらに必要書類を揃えてもう一度裁判所に出向くパターンが多く、人によってはここで手続きに手間取る方も多いでしょう。

 

裁判所側から数日中に借金先へ通知が行くので、基本的には取り立ても止まります。
ただ即日という訳にはいかないので、多少タイミング次第では連絡もあるようです。
まあその場合、特定調停の申し立てをしたと告げればいいだけなのですが。

 

調停委員選定

 

裁判所側から出る調停委員が、本人と話し合いをします。
返済計画を立てる段階です。
大体申し立てから1ヶ月後あたりになります。
あくまで特定調停は、期間以内に減額した借金を払いきれると判断される場合でしか成立しません。
ここで詳しい話を聞いた際、支払いができないと判断されてしまうとここで成立せずに終了してしまいます。

 

債権者との話し合い

 

返済計画を元に、今度は債権者と調停委員が話し合いをします。
出廷しない(債権者が来ない)場合や、特定調停自体を拒否するケースもあり、ここは任意整理と似たようなものです。
合意の元特定調停が成立すると、減額された借金の支払いが始まります。

 

ここで債権者が合意しなかった場合、これまでの苦労が水の泡になります。
ここは公平な判断になるので、こんな不利な条件は飲めないと債権者側が言ってしまえばそれまでで、手続きは終了してしまいます。

 

その場合、また別の債務整理の手続きをすることになります。
特定調停で断られている以上任意整理も微妙なので、この場合大体は自己破産になるのかもしれません。

 

特定調停の費用

 

収入印紙(500円)×借金先の会社数と、多少の切手代です。
あまりに借金先が多ければまず申し立ての時点でアウトなので、精々3000円程度で終わるのではないでしょうか。
後は交通費ですが、それは厳密には特定調停の費用ではないので除外します。

 

特定調停の時効ってあるの?

 

結論から言うと、特定調停の時効という制度自体は存在します。
条件は、調停最終日から5年または10年の間、返済の催促を全くされなかった場合に成立します。
言葉としてもおかしな表現になるのですが、事実こういう条件の元成立する制度なのです。

 

言うまでもありませんが、特定調停を成立させておいて、延滞時に催促がない等ということはありえません。
むしろ裁判所を通すので給料の差し押さえができる特定調停において、どうしてこんな制度があるのか疑問に思ってしまうほどです。

 

条件として、5年または10年の間催促が無いという事が必須ですが、一体どんな状況であればそんなことがあり得るのでしょうか。
可能性とすれば、特定調停後に債権者である消費者金融が倒産するというパターンがありえるかもしれません。
といってもこの場合時効も何も返す先が無くなっているのですから、特定調停の時効といえるのかというと…単なる事故でしょう。

 

もう一つのパターンは、成立後に債務者が夜逃げをしてしまい、住所不定のまま逃げ続けるというパターンでもありえるかもしれません。
つまり催促がないのではなく、催促する先が消えてしまったパターンですが、こうなってしまえばそもそも時効も何も債務者自身が生活しているのか(生きているのか)どうかという問題です。

 

なので、基本的に時効など成立しません。
あくまでそんな法律が存在するというだけの話であり、狙えるわけでもなくまた社会的に狙う意味もありません。